障害者グループホームを検討するとき、まず気になりやすいのが毎月どのくらいの費用がかかるのかという点ではないでしょうか。
家賃や食費だけを見ると高く感じることがありますが、実際には障害福祉サービスの自己負担に上限があり、本人と配偶者の所得状況によってはサービス利用料が0円になる場合もあります。
費用の仕組みを知らないまま検討を進めると、不安が大きくなります。
そのため、入居前の段階で、月額費用の内訳と使える制度の両方を整理しておくことが大切です。
この記事では、障害者グループホームの費用相場、内訳、区分ごとの自己負担上限をわかりやすく解説します。
障害者グループホームの費用相場はいくら?

障害者グループホームの費用は、大きく分けると次の2つです。
- 障害福祉サービス利用料
- 家賃や食費、水道光熱費などの実費
グループホーム(共同生活援助)のサービス利用料は、原則1割負担で、所得区分に応じた月ごとの負担上限があります。
一方で、家賃、食費、水道光熱費、日用品費などは実費負担です。
また、障害福祉サービス等における日常生活に要する費用の取扱いでは、利用者に支払いを求める費用について、使途や額、理由を書面で明らかにし、利用者の同意を得ることが必要とされています。
そのため、月額費用を考えるときは、サービス利用料の上限だけでなく、ホームごとに異なる実費の内訳もあわせて確認することが大切です。
グループホームの自己負担上限
障害福祉サービスの自己負担上限は、厚生労働省の案内で次のように示されています。
| 区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
| 一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
ただし、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、一般1ではなく一般2として扱われます。
そのため、課税世帯では自己負担上限月額37,200円を前提に確認する必要があります。
なお、18歳以上の障害者では、所得判定の世帯範囲は原則として本人と配偶者です。
親と同居していても、原則として親の収入は利用者負担の判定に含まれません。
グループホーム費用の内訳をわかりやすく解説
グループホームの月額費用は、複数の項目を合計した金額で決まります。
入居後の生活を具体的にイメージするためにも、内訳を一つずつ確認しておきましょう。
主な内訳は次のとおりです。
- 障害福祉サービス利用料
- 家賃
- 食費
- 水道光熱費
- 日用品費などの生活費
グループホームの障害福祉サービス利用料はいくら?
障害福祉サービス利用料は、グループホームで受ける支援に対する自己負担分です。
原則は1割負担ですが、月ごとの負担上限が設けられています。
前述の通り、生活保護世帯と市町村民税非課税世帯では0円です。
市町村民税課税世帯では、グループホーム利用者は原則として一般2に該当するため、上限は37,200円です。
グループホームの家賃相場
家賃は、ホームごとの差が出やすい項目です。
物件の立地や設備、支援体制によっても変わるため、見学や契約前に月額を確認することが大切です。
生活保護世帯や市町村民税非課税世帯では、特定障害者特別給付費(補足給付)による家賃助成の対象になることがあります。
補助額は月額1万円が上限で、家賃が1万円未満の場合は実費、1万円以上の場合は1万円です。
また、厚生労働省のQ&Aでは、補足給付の対象は家賃のみとされており、光熱水費や日用品費などは対象外と整理されています。
食費の目安
食費は、ホームで提供される食事にかかる費用です。
金額はホームごとに異なるため、契約前に月額の目安を確認しておきましょう。
特に確認したいのは、何食分が含まれるのか、欠食したときに返金や減額があるのかという点です。
日々の積み重ねで差が出やすい部分なので、見学時に確認しておくと安心です。
水道光熱費はいくら?
水道光熱費も、ホームごとの設定によって変わります。
毎月定額で請求される場合もあれば、実費に近い形で精算される場合もあります。
家賃とは別にかかる費用なので、月額の目安だけでなく、定額なのか変動なのかも確認しておきましょう。
日用品費などの生活費
日用品費やその他の生活費も、ホームによって設定が異なります。
このあたりは、日常生活に要する費用の取扱いに沿って、何に対する費用なのか、いくらかかるのかを書面で説明してもらうことが大切です。
なお、家賃助成に関する厚生労働省のQ&Aでは、光熱水費、日用品費、その他の日常生活費は家賃補助の対象外とされています。
そのため、家賃だけでなく、そのほかの実費も含めて月額全体を確認しておく必要があります。
制度を踏まえた月額負担の見方
グループホームの費用は、サービス利用料だけでなく、実費も含めて見ておく必要があります。
たとえば、市町村民税非課税世帯なら、サービス利用料は0円です。
そのうえで家賃補助の対象になれば、家賃負担を抑えながら、実費を中心に月額費用を考えられます。
一方で、市町村民税課税世帯では、家賃や食費などの実費に加えて、サービス利用料が最大37,200円までかかる可能性があります。
そのため、同じホームでも世帯状況によって負担感は大きく変わります。
本人の収入だけで足りるか、家族負担も確認する
グループホームの費用を考えるときは、本人の収入だけでまかなえるかどうかも確認が必要です。
障害年金や工賃だけでは生活費が不足し、家族が不足分を支えるケースがあります。
ただし、すべての家庭で家族負担が必要になるわけではありません。
見学や相談の段階では、障害年金や工賃などの月収と、家賃、食費、水道光熱費などの見込み支出を書き出し、差額がどのくらいになるかを確認しておくと判断しやすくなります。
どこまで本人の収入で生活できるか、家族がどこまで支えるのかを早めに整理しておくことで、入居後の負担感もイメージしやすくなります。
費用だけで判断しにくいときは、家族の負担もあわせて考える
「費用は気になるけれど、家庭での支援をこのまま続けられるかも不安」という家庭は少なくありません。
夜間の見守りや通院の付き添いが増え、家族の休息が取りにくくなると、心身の負担は大きくなります。
グループホームの利用は、家庭だけで抱え込まず、専門的な支援を取り入れる選択肢の一つです。
費用だけでなく、家族の生活への影響や将来の支援体制もあわせて考えておくと、判断しやすくなります。
グループホームを検討するタイミングの目安
家庭での支援に不安を感じたときは、グループホームを検討するきっかけの一つです。
たとえば、次のような状況が続いている場合は、支援の方法を見直すタイミングかもしれません。
- 夜間の見守りが必要で、家族の睡眠時間が確保しにくい
- 外出や通院の付き添いが増え、家族の生活に影響が出ている
- 家族の高齢化により、将来の支援に不安がある
いきなり入居を決める必要はありません。
まずは見学や相談を通じて情報を集め、家庭に合う支援の形を探していくことが大切です。
まとめ|費用と負担の両面から考える
障害者グループホームの費用は、障害福祉サービス利用料と、家賃、食費、水道光熱費、日用品費などの実費をあわせて考える必要があります。
特に重要なのは、サービス利用料には所得区分ごとの上限があり、生活保護世帯や市町村民税非課税世帯では0円になること、低所得世帯では家賃助成の対象になる場合があることです。
一方で、実際の負担額はホームごとの設定や地域差によって変わります。
本人の収入だけで足りるか、家族の負担をどう考えるかも含めて、事前に整理しておくことが大切です。
入居を検討するときは、自治体の障害福祉窓口などに相談しながら、費用の内訳と利用できる制度を確認していきましょう。
