障害福祉サービスとは?家族が最初に知りたい種類・対象者・相談先をわかりやすく解説

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障害福祉サービスは、障害のある人の暮らしを支える制度です。

ただ、初めて調べる家族にとっては、制度名や手続きが多く、全体像が見えにくいことがあります。

「うちも対象になるのかな」

「グループホームを考えているけど、何から始めればいいんだろう」

「受給者証って何?」

このように、不安を抱えながら調べ始める方も少なくありません。

この記事では、障害福祉サービスの全体像を家族向けに整理します。

介護福祉士として障害福祉の現場で働く中で、制度名よりも「今の暮らしで何に困っているか」を整理することが大切だと感じています。

この記事では、制度の説明だけでなく、家族が相談前に整理しておきたいポイントもあわせて紹介します。

障害福祉サービスは種類が多いので、最初から制度を全部覚える必要はありません。

まずは、次の4つを整理すると、次に何をすればよいかが見えやすくなります。

  • 家で困っていること
  • 日中の過ごし方
  • 将来の住まい
  • 相談先

この4つを整理すると、次に何をすればよいかが見えやすくなります。

「どの記事から読めばいいか分からない」という方は、まず気になる内容から確認してみてください。

まず知りたい内容から読む

障害福祉サービスは範囲が広いため、必要な内容から読んでも大丈夫です。

障害福祉サービスとは?まずは全体像を整理しよう

障害福祉サービスは、障害のある人が地域で生活していくための支援制度です。

障害者総合支援法に基づき、生活面や地域生活を支えるさまざまな支援があります。

参考:厚生労働省「障害福祉サービスの内容」

初めて調べると難しく感じやすいですが、家族向けに整理すると、大きく次の4つに分けられます。

  • 家で受ける支援
  • 日中活動の支援
  • 住まいの支援
  • 相談支援

制度名を全部覚える必要はありません。

まずは、「今どこで困っているか」を整理すると考えやすくなります。

制度名より「生活の困りごと」で考える

家族が制度を調べ始めると、専門用語の多さに混乱しやすいです。

居宅介護、計画相談支援、受給者証、障害支援区分など、似た言葉が続きます。

ただ、最初から制度名を正確に理解しなくても問題ありません。

実際の相談場面でも、

  • 一人で過ごす時間が不安
  • 日中の居場所がほしい
  • 将来の住まいが心配
  • 家族の負担が大きい

といった生活の困りごとから整理していくことが多いです。

「何の制度を使うか」より、「何に困っているか」のほうが、最初は大切です。

障害福祉の相談先に迷う場合は、先に相談先の全体像を見ておくと整理しやすくなります。

どこに相談すればよいか分からない方は、障害福祉の相談先まとめ|迷ったときの窓口も参考にしてください。

介護保険や自立支援医療との違い

障害福祉サービスは、生活支援や地域での暮らしを支える制度です。

一方、自立支援医療は、対象となる医療費の自己負担を軽くする制度です。

自立支援医療について詳しく知りたい方は、
自立支援医療とは?受給者証の対象者・自己負担・申請方法をわかりやすく解説も参考になります。

また、65歳以上では介護保険との関係も出てきます。

厚生労働省では、相当する介護保険サービスがある場合は、原則として介護保険が優先されるとしています。

参考:厚生労働省「高齢の障害者に対する支援等について」

ただし、本人の状況やサービス内容によって扱いが異なるため、65歳になったら障害福祉サービスがすべて使えなくなるわけではありません。

同行援護や就労支援など、障害福祉サービスとして利用される支援もあります。

そのため、「65歳になったら全部介護保険に切り替わる」とは一律には言えません。

障害福祉サービスの種類を生活場面ごとに整理

障害福祉サービスの種類を生活場面ごとに整理の図解

障害福祉サービスは種類が多いため、「生活のどこを支える制度か」で見ると分かりやすくなります。

家で受ける支援

自宅での生活を支える代表的な支援が、訪問系サービスです。

たとえば、

  • 居宅介護
  • 重度訪問介護
  • 同行援護
  • 行動援護
  • 短期入所(ショートステイ)

などがあります。

入浴、食事、外出、見守りなど、日常生活を支える支援です。

家族だけで支える負担が大きい場合、こうした支援につながることで生活しやすくなることがあります。

日中活動を支える支援

日中の居場所や活動を支えるサービスもあります。

代表的なのは、

  • 生活介護
  • 自立訓練
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援

などです。

ここは、「働けるかどうか」だけで考えなくても大丈夫です。

生活リズムを整えたい。

安心して通える場所がほしい。

人との関わりを増やしたい。

このような目的で利用につながることもあります。

住まいを支える支援

将来の暮らしを考える家族にとって、住まいの支援は気になりやすい部分です。

共同生活援助は、一般にグループホームと呼ばれる支援です。

主に夜間に支援を受けながら、地域で共同生活を送ります。

「まだ入居するか決めていない」という段階でも、早めに情報を集めておくと見通しを立てやすくなります。

グループホームについて詳しく知りたい方は、
障害者グループホームとは?対象者・生活のイメージ・入所施設との違いを解説も参考になります。

また、「実際にどんな流れで入居につながるの?」と気になる方は、
障害者グループホーム入居の流れ|相談から入居までを解説もあわせて確認してみてください。

制度選びを整理する相談支援

制度利用の入口として重要なのが、相談支援です。

計画相談支援では、

  • どんな支援が必要か
  • どのサービスが合いそうか
  • 利用計画をどう作るか

などを一緒に整理していきます。

家族だけで制度を読み解こうとすると、何から手をつければよいか分からなくなりやすいです。

相談支援事業所では、相談支援専門員が本人や家族の状況を聞きながら、必要な支援や利用できそうなサービスを一緒に整理してくれることがあります。

相談支援専門員の役割を詳しく知りたい方は、相談支援専門員とは?家族が知っておきたい役割も参考になります。

「サービスを決めてから相談する」のではなく、「困りごとを整理するために相談する」と考えると進めやすくなります。

障害福祉サービスの対象者|手帳なしでも相談できる?

障害福祉サービスの対象者|手帳なしでも相談できる?の図解

ここは、家族が不安になりやすいポイントです。

結論から言うと、対象は手帳の有無だけで一律には決まりません。

手帳がなくても相談できる場合がある

障害者手帳は、対象を考えるうえで分かりやすい目安です。

ただし、「手帳がないから絶対に使えない」とは限りません。

障害者手帳の種類や、受給者証との違いが分かりにくい場合は、障害者手帳とは?種類・等級・申請の流れもあわせて確認しておくと整理しやすくなります。

厚生労働省では、障害者総合支援法の対象となる難病について、障害者手帳を持っていなくても必要と認められた支援を受けられる場合があると説明されています。

そのため、「まだ手帳がないから相談できない」と考えて止まってしまうのは早いこともあります。

まずは、

  • 診断名
  • 生活の困りごと
  • 家族の負担
  • 日常生活で難しいこと

を整理して相談してみることが大切です。

子どもと大人で入口が変わることもある

18歳未満では、障害児通所支援が入口になることがあります。

放課後等デイサービスなどを利用していた方が、成長後に障害福祉サービスへ移行するケースもあります。

そのため、「子どもの頃と同じ制度が続く」とは限りません。

年齢や状況によって、利用する制度や支援内容が変わることがあります。

特に学校卒業後や18歳前後は、使う制度や相談先が変わりやすい時期です。

卒業後の支援や進路の変化が気になる方は、障害者の18歳の壁とは?卒業後に何が変わるのかを家族向けに解説も参考にしてください。

障害福祉サービスを利用する流れ|受給者証とは?

障害福祉サービスは、事業所へ直接申し込めばすぐ始まるわけではありません。

基本的には、市区町村へ申請し、支給決定を受けて利用につながります。

利用までの基本的な流れ

流れは次のようなイメージです。

  1. 市区町村へ相談・申請
  2. 聞き取りや調査
  3. 必要に応じて障害支援区分認定
  4. 利用計画案の作成
  5. 支給決定・受給者証交付
  6. 事業所と契約して利用開始

自治体によって細かな流れは異なります。

ただ、最初は「相談→申請→受給者証→利用開始」という流れをイメージできれば十分です。

障害支援区分について詳しく知りたい方は、
障害支援区分とは?認定調査の流れと準備も参考になります。

受給者証とは何か

受給者証は、利用できるサービス内容などが記載された書類です。

障害者手帳とは別のものです。

ここは混同しやすい部分です。

手帳を持っていても、受給者証がなければ利用につながらないことがあります。

逆に、受給者証が交付されても、事業所と契約しなければ利用は始まりません。

受給者証について詳しく知りたい方は、
受給者証とは?手帳なしでも使える?基本と申請の流れも参考になります。

相談前に整理しておくとよいこと

相談時は、制度名を覚えていなくても大丈夫です。

それよりも、

  • 日中一人で過ごすのが不安
  • 服薬確認が必要
  • 家族の負担が大きい
  • 将来グループホームも考えている

など、生活の困りごとを数行メモしておくと進めやすくなります。

相談では、本人だけでなく、家族の負担も大切な情報になります。

費用はどれくらい?家族が押さえておきたいポイント

費用は、多くの家族が気になりやすい部分です。

まずは、「サービス利用料」と「実費」を分けて考えると整理しやすくなります。

利用者負担と月額上限

障害福祉サービスの利用者負担は、原則1割です。

ただし、所得に応じた月額上限があります。

厚生労働省では、

  • 生活保護世帯:0円
  • 市町村民税非課税世帯:0円

などとされています。

参考:厚生労働省「障害者の利用者負担」

課税世帯では、所得に応じて月額上限が設定されます。

ただし、制度内容や条件は変更されることもあります。

実際の負担は自治体や状況によって異なるため、相談時に確認することが大切です。

実費が別にかかることもある

家族が誤解しやすいのが、「上限があるなら全部その中に含まれる」というイメージです。

実際には、

  • 食費
  • 家賃
  • 日用品費
  • 光熱費

などが別途必要になることがあります。

特にグループホームでは、実費負担も含めて確認しておきたいところです。

詳しくは、
障害者グループホームの費用相場はいくら?区分ごとの自己負担上限を解説も参考になります。

何から始めればいい?初めての家族が最初にやること

最初から制度を完璧に理解する必要はありません。

まずは、今困っていることを整理するだけでも十分です。

最初に整理したい4つ

相談前は、次の4つを簡単に整理しておくと進めやすくなります。

  • 手帳の有無
  • 通院状況
  • 生活の困りごと
  • 将来の不安

数行のメモだけでも大丈夫です。

「まだグループホームに入るか決めていない」という段階でも相談できます。

相談先はどこ?

最初の相談先として多いのは、

  • 市区町村の障害福祉窓口
  • 相談支援事業所
  • 基幹相談支援センター

などです。

すでに通所先や病院など関わっている場所がある場合は、そこを入口にしても問題ありません。

グループホームを考えている方は、障害者グループホームの相談先は?相談内容と進め方も参考になります。

障害福祉全体の相談先を整理したい方は、障害福祉の相談先まとめ|迷ったときの窓口で、悩み別の相談先も確認できます。

まとめ直前イメージイラスト

まとめ|制度を全部覚えるより、まず相談につながろう

障害福祉サービスは、障害のある人の暮らしを支える制度です。

種類は多いですが、

  • 家での支援
  • 日中活動の支援
  • 住まいの支援
  • 相談支援

の4つに分けると整理しやすくなります。

最初から制度名を全部理解する必要はありません。

まずは、

  • 今どこで困っているか
  • 家族が何に不安を感じているか

を整理して、相談先につながることが大切です。

「まだ利用するか決めていない」
「どの制度が合うか分からない」

そんな段階でも相談できます。

数行のメモだけでも、相談の入口になります。

制度を全部調べきってから動く必要はありません。

まずは、今の困りごとを整理して、一歩ずつ相談につなげてみてください。

※制度の対象や手続き、必要書類は、本人の状況や自治体によって異なります。
実際に利用を検討する場合は、市区町村の担当窓口、相談支援専門員、主治医などに確認してください。

この記事を書いた人

神無月恵太(介護福祉士)

障害者グループホーム・生活介護の現場で2016年から勤務しながら、介護・福祉分野を中心に情報発信を行っています。

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